ハンバーグの黄金レシピとは?
大人は肉々しいハンバーグも大好きですが、我が家の子どもたちは、肉々しい料理は好みません。
基本的に柔らかく煮込んだ鶏肉や、なめらかな触感の食べ物がお好き。
粗挽き肉を使ったハンバーグなぞ、食べてくれるわけもありません。
でも、市販のなめらかなハンバーグ(イシイ等の商品)は食べてくれたりするんです。
ということで、子どもでも美味しく食べられるようなハンバーグを作りたいということで、色々調べてみました。
ハンバーグを作るときに、塩を先に入れる理由は?
ハンバーグを作ることがあっても、子どもが生まれてくる前は、粗挽きだったり食べ応えがある料理が好きな夫のために料理することばかりだったので、適当にひき肉・調味料・玉ねぎ・卵等を混ぜて焼いていただけ。
もちろんそれだけでも美味しいのですが、一般的なレシピで先に塩を入れていることには重要な理由がありました。
重要な役割の一つとして、味付けという部分もあるのですが(味付け的には1%くらいの塩分濃度がベストといわれているケースが多いよう)、
塩を入れて肉をこねることで、粘り気や弾力が出て、加熱したときにも崩れにくくなる、かつ旨味や水分を閉じ込められるようになる、というが大きな理由です。
粘り気や弾力が出る原理としては、ミオシン・アクチンをいう2種類の筋原線維たんぱく質が肉の中に含まれていて、よくこねることで、その2種類のたんぱく質が結合して、網状構造のアクトミオシンに変化することにあります。
塩によってミオシンが溶け出し、上記の反応が進みやすくなります。
ばらばらの糸が絡み合って丸まったような状態になるので、絡み合った糸の内側に水分を保持しやすくなります。
そうして、旨味や水分を含んだハンバーグを作ることができるようになるので、まずは塩・ひき肉だけでこねる、というステップが重要となります。
(全くこねないと、そぼろのようなぽろぽろ・ぼそぼそ、とした触感に近くなります)
網状構造のアクトミオシンが形成されているひき肉は、熱変性によって網目構造はさらに強い結合となり、ハンバーグが焼いている間に割れていることも防ぎ、割れないこともあって旨味や水分も流れ出なくなりなり、ジューシーなハンバーグを作ることができようになります。
※塩分とひき肉を混ぜればいいので、醤油・味噌等で味付けをしてもいいかもしれません。
肉だねの温度管理も重要
塩を入れてこねるとき、実は一つ重要なポイントとして「温度」があげられます。
ミオシンは熱に弱いので、ヒトの体温程度でも壊れやすくなってしまいます。
また、こねるときの温度が高くなってしまうと、ひき肉の脂肪が溶け出して、アクトミオシンの形成が阻害されてしまうので、せっかく塩を入れて、一生懸命こねても、人肌と同じ温度になってしまっては、こねる意味が半減してしまいます。
(衛生的にも冷たい方が肉も傷みづらいし、肉だねも脂肪が溶け出していない方が扱いやすいというのもありますが)
ので、氷水を下にひいたり、へら等の道具を使ってこねたりする方がよいかもしれません。
子どもと作るときは、一生懸命こねて時間がかかるので、氷水は必須です(笑)。
よりジューシーなハンバーグにするためには、卵・パン粉を
なめらかでジューシーなハンバーグを作るためには、まず塩を入れて、アクトミオシンが形成されるまで冷やしながらこねることが重要、とお伝えしてきたのですが、さらにジューシーにするためには、卵・パン粉(・玉ねぎ)をこねた後に入れることもおすすめです。
卵は「つなぎ」とよく言われますが、言葉の通りで、熱を加えると固まる熱凝固性があるので(主に卵白)、加熱するとひき肉同士をつなぎ合わせ、肉汁を閉じ込めてくれます。
パン粉も、肉汁を吸収して、外に逃がさないようにしてくれるので、肉々しい感じは減ってしまいますが、肉汁と保持しやすくするという点では入れてもいいかなと思います。
玉ねぎは、甘みといった味付けの観点で入れることも多いと思いますが、水分を多く含む食材となるので、肉々しさよりも、ジューシーさ(柔らかさ?なめらかさ?)を重要視するなら、良い材料といえるはず。
炒め玉ねぎを熱い状態のまま入れると、肉だねの温度が上がってしまうので、そこのみ注意ですが。
ただし、卵は海外では入れないことも多いようですし、卵・パン粉等を入れるかは、個人の好みによって入れるか判断いただくのが良いかと思います。入れれば入れるほど、どうしても肉々しい感じは減ってしまいますので…
塩を入れてこねる、卵・パン粉といったつなぎを入れてハンバーグを作ると、ジューシーかつなめらかに
結論としては、
1.まず塩を入れて、冷やしながらしっかりこねる
2.パン粉・卵等のつなぎを入れる
3.炒め玉ねぎをしっかり冷やして混ぜる
というのが、我が家の鉄板ハンバーグ手順になりました。
冷やしながら…というのは、子どもとこねていると思ったようにいかないこともありますが、自分で作ったものはトライしてくれるので、親としてはありがたい限り。
全部の食材を一度に混ぜてしまうよりは、手間がかかりますが、しっかり上記の手順によって土日に子どもとハンバーグを作っていこうと思います。
出所
・京都華頂大学 食物栄養科生地
・オレンジページ ハンバーグレシピ
・日本経済新聞 「肉・魚をこねる理由」
・他ブログ等